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  • 2010.06.17 Thursday
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たとえ刃折れ矢尽きようとも、愛し続け、決して背かぬ事を誓うか?

 
本日の題名はヴァナディール・ウェディングサポートwithサンドリア形式の誓約序文から。

UchinoLSから二人が愛を誓い合い、終生の伴侶として認め合うことになりました。
本当におめでとうございます。

まぁリアルで8年もの間つるみ続けてたわけですが、ついに彼も結婚したのかとか感じるとともに、
自分もそろそろ式はあげないにしても相手の一人や二人いてもよさそうなもんだなーとか思わざるを得なくなったというか。

めまぐるしく馬鹿猫さんの中の人の環境が変わっていった今年度。
彼と彼女の結婚式という祝い事はその中でも一つの転機になったように思います。
いつまでもガキじゃいられないってことでしょうか。

彼もこれからは一つの家庭を築いていかなくてはならないわけで、そんな彼と友人でい続けるためには僕もがんばらないといけないっぽいです。

友情には変わりはないですが、友情というものは対等の立場になければ成立しないもんです。

もう7月。
平成21年ももう半分もないです。
今年の年末の僕はどうなってるでしょうかね?
さてさてw

少 な く と も

この緩んだ体調と衰えた体力。
特に明らかに丸くなったボディーラインwwwwwwww

2年くらい前は「丸くなったねー」と従兄弟にいわれてたのに、最近では「かえしてー; うちの自慢のあんちゃんをかえしてー;」とかホロホロ泣き出される始末。
4月に新調したスーツが入りません。どういうことでしょう?

正直、デジカメに入ってるつい2,3年前の僕の写真はあまり見たくないですwwwww
心が挫けそうwwwwwww
頑張ろうwwwwwwwwwww




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ずの攻防戦VI

 

***


「この勢いなら敵本陣、フォーローン・バンガードまで突破できそうですな。」

白狼のサリッサ部隊をハーディンが連れて行った為、スカーレットフェザーの本隊、つまりヴァレリアの親衛部隊に合流していたサイフォスが興奮冷めやらぬといった調子で声を掛けてきた。
身にまとった龍鱗のスケイルメイルにはべっとりと返り血がついている。
手持ちの槍を長大なサリッサ槍に持ち替えた白狼隊の突撃力は格段の威力を誇っていた。

すでに3度もの敵の防衛線を打ち砕いてきたスカーレットフェザーである。
その士気はもはや最頂点にあり、ヴァレリア隊の後ろには連合軍の兵士達が幾人も付き従い、従軍救護兵までもが戦槌を手にスカーレットフェザーの旗の下に集っていた。

「まぁ、それ以前に包囲されつつあるんだがね。」

竜剣リディルを携え、白鎧を伊達風に身にまとったヴェルがいう。
ヴェルが率いるエルヴァーン女性だけで構成された白千鳥騎士隊はまさに異様でもあった。
隊長のヴェルとその親衛従騎士の副隊長2名を他の部隊員が全力でサポートするという戦法で前線の穴を埋めて回っているのだ。

「ヴァレリア様、そろそろ連合軍の兵士達が疲弊しています。士気は僥倖ですが、このままではいずれ・・・」

ヴェルの発言を後押しするかのように、白千鳥の副隊長のソーニャが続けた。

全戦力を投入したスカーレットフェザーの突撃力は闇の血盟軍にとって想定外のものであった。
前衛のオーク部隊を白狼のサリッサ部隊が貫き、強力な支援魔法を盾に突撃してくる重装歩兵、さらに両脇を騎鳥銃騎士隊による包囲殲滅を受け、次々に突破されていったのである。

しかしそれ故にスカーレットフェザーの死傷者も増え、恐れを知らぬ突撃を繰り返した為に、スカーレットフェザーは孤立しつつあった。勢いだけで乗り切れるほど戦場は甘くはない。
如何に新式ライフル銃を備え、寡兵をそろえようと、指し手を違えば容易く崩壊する。

指揮官はその些事加減を見極めねばならない。
引くか、攻めるか。

しかして、ヴァレリアは特に悩んだそぶりもみせず、全軍に転進を命じた。

「進路、カルゴナルゴ城砦。急ぐわよ、間に合わないかもしれない。」

ヴァレリアの号令一閃、デュヴァリエ本隊は進路をカルゴナルゴ城砦へ向けた。
敵の波状攻撃を幾度も蹴散らした重装歩兵達がまるで一つの生物のように統一された動きでそれに続く。連合軍兵士たちは白千鳥騎士隊の転移魔法によって戦線を離脱していった。

カルゴナルゴ城砦の危機はしばらく前から幕僚総本部からのリンクシェルを通じて前線の指揮官クラスには伝えられていた。
対魔装備を施したヤグード教団軍の強襲を受け、聖都防衛の要であったカルゴナルゴ城砦はまさに陥落せんとしていたのである。

「主様、王国軍本隊から伝令です。」

いつのまにかヴァレリアの背後にいた朔夜が戦忍着の懐から書状を取り出してヴァレリアに渡す。
ヴァレリアがその封を切るころにはすでに朔夜は風の中に消えていた。
チョコボを走らせながら内容を確認するヴァレリアにサイフォスが聞く。

「本隊は何と?」

「ガルレージュ要塞への戦地移動命令よ。でもこれは受け入れられない、王国騎士団の命令でもね。」


「そこまでしてウィンダスを助けると?」

「今、ウィンダスは存亡の危機にある。しかしそれは私たち王国国民にはおよそ預かり知らぬこと。でも私たちは軍人で、騎士だ。サンドリア王国軍の。騎士は騎士道を尊ばなければならない。」

ヴァレリアの遠くを見据える視線の先には赤々と燃える空があった。

王国軍人。騎士であること。
サイフォスはデュヴァリエが尚武の名門たる所以を見た気がした。

「騎士道とかいうと、多くの人は顔をしかめるわ。堅苦しい事をいう、古臭い人間だと。それは仕方のないことだ。だけれど、だからこそ私たちデュヴァリエは騎士道を貫く必要があるの。サンドリアの騎士っていうのはね、まずなにより強くなければならない。そして誰よりも気高くなければならない。その名誉と誇りで、民を守るために。後世、サンドリアがウィンダスと手を取り合い、友人になるために。」

気がつけばヴァレリアの周りに侍っていた者たちのほとんどが右胸に拳を当てていた。

「聞いたか、野郎ども!デュヴァリエは見捨てない。デュヴァリエは裏切らない。俺たちは緋色の翼なンだ。走れ、走れ、飛ぶが如く!」

ハーディンが野太い声で大斧を掲げた。幕下の重装歩兵たちもそれに続く。

ヴァレリアのフェルディナントはカルゴナルゴ城砦へと向けられた。
緋色の騎兵隊は再び尋常ならざる速度で走り出す。

口元にうっすらと微笑をうかべたヤチルルが印を結んだ。
新緑色の渦が空間に現れる。 林檎園の匂いをかぐわせて・・・。


***


サンドリアの古老は語る。
タブナジアこそ、サンドリアの最大の友好国にして頼るべき友人であった、と。

タブナジアは「ザフムルグの真珠」と謳われ、美しい景観、そのザフムルグ海からもたらされる海の幸を用いての貿易など、国家を取り巻く環境は安寧を極めていて、その都が誇るタブナジア騎士団こそ、まさに海洋王国として最強と謳われた騎士団であった。

狼王ルジーグの時代、第二次コンシュタット会戦においてはルジーグ王、ひいてはサンドリア王国の為に、従軍していたタブナジア騎士500余名が壮絶な討ち死にを敢行したと言われている。

サンドリア王国軍にとって、タブナジア騎士団ほど信頼に足る友軍は他に存在しなかった。

***


「タブナジアは、グリフィンの盾たれ・・・か・・・。」

女は右肩に手をやる。血なまぐさい鉄の匂いが強くなった。
ヤグード僧兵に切りつけられた傷口からじわじわと血が滲んでいる様だ。
足元に転がるは、美しき装飾のほどこされたバローネプレートアーマーを身にまとい、槍を握り締めたまま力尽きた騎士たちの亡骸。

楼閣の瓦礫の一塊に背を持たれ、空を仰ぐ。

ふとガルレージュ要塞への援軍にと、はるばるタブナジア本国から派遣された頃を思い出した。
勇壮な王国騎士団と槍を並べて戦える喜び。それはタブナジアに生まれた者にとって至上のことであった。だからこそ、カルゴナルゴ城砦の悲報をきき、我がタブナジア騎士の一団が誰よりも早く援軍を申し出たのだ。

「内地の戦が、こんなにも苛烈だったなんて。ちょっと・・・想定外。」

女は自重しつつ笑った。
内地とはサンドリア王国のあるクォン大陸のことを指す。
タブナジアの人々はサンドリア王国のあるこの大陸のことを親しみをこめてそう言うのだ。

壁に背をもたれながら目を瞑る。
自分の腕で自分を抱いた。

「寒い・・・。」

つめたい風のせいだけではない。どす黒く染まった右肩の傷から予想以上に出血しているのである。
薄れていく意識。朦朧とした意識のなかで、女は両手に握り締めたままの槍のことを想って唇の端をあげた。槍を握り締めている手のひらだけが滾る様に熱い。
今まさに死のうというしているのに、自分はまだ戦おうとしていたのだから。

瞼を閉じる。

カルゴナルゴ城砦の前哨基地にたどり着いた頃、襲来してきたヤグードの一団は異様であった。
ヤグード僧兵の怪しげな出で立ちはミンダルシアに渡って来てからというもの、そう見慣れぬものではなかったが、その一団は一様に白い羽をまとった集団であったのである。

それが対魔防備をほどこし、薬に酔って痛みを忘れた死人の集団であることに気づいたのは、カルゴナルゴの前哨基地の門から飛来したタルタル魔戦士の魔法がはじき返されたときであった。

浮き足立つ魔戦隊を前に、彼女の部隊はすぐさまチョコボを降り、それをタルタルの魔戦士たちに譲ると、小竜を従えて迫るヤグードの部隊へと駆けていった。
ヤグード僧兵の刀を弾き返しながら、後方へと遁走していくタルタルたちの姿を眺めて、タブナジアの騎士達は「これでいいのだ」という頷きあう。
あとは彼らがカルゴナルゴ城砦へと到達してくれれば、自分達の名誉は守られる。
一人、また一人と討ち取られる中、タブナジアの騎士達は一様に戦さ人となって雄叫びを上げた。

幾度斬り結んだか。
愛槍を突き、払い、振り回す。
腰に差していた細剣を逆手にかざして敵に突き立てた。

瀕死のともがらの手を握り締め、子竜が息絶えようと。
ただ、タブナジア騎士の名誉の為。

ヤグード教団の戦士達は、現人神ヅェー・シシュの教えの下、死を恐れぬ死人の集団である。
高い知能を備えた彼らの戦闘力は計り知れず、しかもオークやクゥダフと違いきわめて敏捷だ。
そして厄介な事に彼らは死を全く恐れない。

対魔装備のヤグード兵を4人までを細剣で突いて倒した。だが最後の一人を突き殺したところで、憤怒の形相で剣をつかまれ、そして奪われた。
そこから愛槍を振りかざし、しもべの子竜と共に6人倒した事まで覚えている。
疲労して体勢を崩したとき、背後に鈍い衝撃を感じた。
咄嗟に身を捻って致命傷を避けたものの、チェーンプレートの下衣を切裂いた白刃は肩に深々と突き刺さった。
強烈な痛みが全身を駆け抜け、そこで意識が途切れた。
そのあとの事は覚えていない。
気づいた時には楼閣の残骸に背をもたれ、その影に身を寄せていたのである。

確実に今際の時は近づいてきている。
死の足音が聞こえるような気がした。

しかし女はそれでも小さく微笑んでいた。
朧げな記憶の中で、輝く飛沫のように流れていく記憶が彼女を死の恐怖から救っていた。

タブナジア騎士団のいっそ殺してくれと思えた軍事調練。騎士を目指したのはいつだったか。まだ騎士ですらない、ただの少女であった時の思い出。懐かしい祖国、故郷の匂い。
その記憶の中に・・・彼女の辿った人生の轍の中に、とんがり耳のミスラの姿をみつけた。

鍋の蓋の盾をかざし、パンこね棒の剣をひらめかせ、緋色のマントを首に巻いた小さな騎士団長殿。
嫌だというのに、珍しい銀の髪だというだけで自分の手をとって無理やり連れ出されて・・・。
菓子の包み紙と軍鳥の抜け羽で作った勲章を渡されて、挙句は家来扱い。

「・・・・ル!」

名前は何だったか、思い出せない。
明日も遊ぶから!といったっきり、タブナジア港の桟橋で別れたきり、迎えにこなかったあの馬鹿。

「・・・テル!」

ずっと待ってたのに、昼から日が沈むまで待たされて。
次の日も、そのまた次の日も。来やしない。

「・・・ステル!」

結局、あの馬鹿に連れまわされた非日常が、日常に塗りつぶされていって。あぁ、その頃に私は騎士になろうと想ったのだ。あの馬鹿ミスラと一緒にやった騎士団ごっこがどうしようもなく楽しかったから。

「・・・エステル!!」

そうだ。思い出した。あの馬鹿ミスラの名前。

「ソーニャ! エステルにレイズ!はやく! まだ、まだよ!エステル・・・あんた、ここで死んだら殺すからね! 」

輪郭がうっすらと見えてきた。とんがり耳。
柔らかなレイズの光がエステルを包み、強く輝いた。


「・・・遅いわよ、ヴァレリア。何年、待たせるの・・・」

そうだ、ヴァレリアだ。私がタブナジア騎士になる、もっともっと昔の主君の名前。

エステルは微笑むと、強烈に襲ってきた睡魔の渦に飲まれていった。

***





近況とかその他

 
***


絶賛放置中のブログです、そして猫の中の人の僕です。こんにちは。

結構ほったらかしてても普通に閲覧してくれてる人がいるようで、なんかこう申し訳ないというかなんというか。
別に時間がないとかではないんです。
単にめんどくさくなってるだけでwwwwwwwww


一時期はちゃんと更新していたんですが、一度放置癖がつくとなかなか治らないもので。
いやぁこまったもんですね。


さて、今日も今日とて楽しくFF11をプレイしてきたわけですが。

楽しいですよね、いつも一緒にいる仲間がいる環境にいると。

しばらくログインしない日が続いて、リアル連絡が取れなくなっていたにもかかわらず、帰ってきた僕を迎えてくれた仲間がいたっていうのは、正直心からうれしく想いました。
それがネットだけの関係だとしても、仲間は仲間。

そんな仲間達に囲まれて、今のところ何不自由なく、退屈することなく遊べています。

ただ、最近想うのは、仲間と遊びすぎて時間の流れが速く感じてしまうこと。
これはリアルでも変わらないことですが、楽しい時間というのはほんとにはやく感じます。
気がついたら日付またいでたとか、ほんといつものことです。

ヴァレリアさんは現在絶賛NEET中なので家族の視線がちょっぴり痛かったり。

まぁなるようになぁれ^^ と自分を納得させて。
ヴァレリアさんは今日もログインするのでした。

どうみても末期です、本当にありがとうございました

ノベルのほうはもう少々お待ちください。
血しぶきドブシャアーな感じのを書いてますので、色々とまとめきれてないのです。

ほんわか系を期待してたL樽君はさらにもうちょっと待つといいのだよ!


あ、それとですね、リンクを2件追加したよ!したよ!

扉絵がキュートすぐるNushuaさんのFF11メモ帳、絶賛ホモ疑惑中のDiehardさんのペリ王国。
絶賛放置中ですがよろしくおながいしまs

どっちもヴァナじゃすごく優しいよ!よ!
僕いじめるけど!!


夏の日の陽だまり  傭兵騎士団長と向日葵の少女


 ***


変わり映えのない日常生活において、トラブルという名の騒動を起こすのは、大体「ガキんちょども」と相場が決まっている。

子供は好奇心を満たす為の欲望というもので8割構成されている。残りの二割は寝ることと母ちゃんのつくる晩飯を想う事くらいのものだ。そしてその子供たちが一人ではなく二人。つまり個から多になったら、もう手がつけられない。

子供たちは本能的に知っているのだ。
この世の摩訶不思議をかぎつける術を。
それは、誰もが必ず持っていて、でも大人になるにつれて失っていくもの。
魔法でも知識でもない、子供の純粋さだけが備えることができる、すばらしい能力。


今日も子供たちは往く。

鍋の蓋の盾をかざし、粉引き棒を誇らしげに振りかざして。

それは向日葵が大輪の花を咲かせる、暑い夏の日のお話。


***


耳を劈くのは喧騒。

だがそれは熱気溢れる喧騒だった。
安売りを詠う果実売りの野太い声、肉屋の旦那の気風の良い客引きに、蜜のよう甘く、艶っぽい娼婦の声。

南サンドリアの猟犬横丁は平和の香りに満ち満ちていた。
国家の繁栄は国民の顔に如実に表れる。
ここ、サンドリア王国はまさに平和の只中にあり、街を行く人々の顔はみな一様に明るかった。
清貧を旨とする古風な騎士王国も、中央市場となれば活気溢れ、人々は熱っぽく動き回る。
市場を監督している神殿騎士たちですらうっすらと微笑みをたたえ、腰に帯びた剣は鞘から抜かれることはここのところついぞご無沙汰である。
八百屋の恰幅の良い女将にサルタオレンジとともに見合い話を持ちかけられた警備兵が慌てふためき、雑踏の中にまた爆笑を一つ呼んでいた。

「ヴァレリアさま、次はあっち、あっちですよー。ほら、あのチェック柄のテントのお店!」

そんな雑踏の中、よく澄んだ少女の声が響く。
行き交う人々のなか、赤いコーサー種のチョコボがぽっくりぽっくりと歩いていた。
その鞍には大はしゃぎで向日葵のように笑うエルヴァーンの少女と、その少女を膝の上に抱きかかえて、少し困ったような顔をしながら、しかし小さな微笑みを浮かべたミスラの騎士がまたがっていた。

「はいはい、わかった、わかったから。あんまり暴れるな。落ちちゃうぞ?ジルダリア。」

ジルダリアの美しい黒髪をふわりとなでると、ヴァレリアはチョコボの手綱を少しだけ引いた。コーサー種特有の美しい緋色の羽を身にまとったチョコボは「あのチェックのテントのお店」に向けてくちばしを向ける。

「わーい! にへへ、ヴァレリアさま、すきー。」

にぱーっと笑うと、ジルダリアはヴァレリアの胸にぎゅーっと顔をうずめて抱きつく。
あまりの勢いに後ろに倒れそうになりながらヴァレリアは笑った。手綱を握ってないほうの手でジルダリアの体をしっかりと抱きしめた。チョコボのやわらかい羽毛が一枚、抜けて風に舞っていった。

「今日は君が私の主様だからね。さぁ、好きなものを買っておいで。ドレスでも帽子でもなんでもいいよ!」

軽やかにチョコボから降りると、小さなジルダリアの体をやさしく抱き上げて地面に下ろす。
足が地面につくのが待ち遠しくてたまらないといったふうにパタパタと足を振っていたジルダリアは、跳ねるように店の中に駆け込んでいった。
ヴァレリアが手近なところの街路樹にチョコボの手綱を結びつけている間に、ジルダリアは小さなテントの店を端から端まですべて見て回るつもりのように歩き回った。

ちょうど良い枝に手綱を結び終え、振り返る。店の中をきらきらと目を輝かせて物色しているジルダリアをみて、ヴァレリアは改めて、穏やかな、そして優しい微笑みを浮かべた。

***

それは今朝のこと。


朔夜の摘んできた新鮮な山菜をおかずに、朔夜、ヒューレン、ヤチルル、つまりフリューベル家で朝食をご馳走になっていた時である。比較的寒いサンドリア地方だけあり、真夏といえど朝は涼しい。
夜遅くまでヴェルとハーディンとカード遊びに興じていたヴァレリアは、家でウィルム族のような顔をして待っているであろう女中長のことを恐れ、帰れずに朝食を食いっぱぐれ、結局ヒューレンの家に押しかけたのである。


「・・・おいしい。」

ぱくりとボスディン菜のソテーを口に放り込んだヤチルルが起伏のない声で呟く。それを聞いた朔夜がにこにこと笑いながら山菜のキッシュを皿に盛り付けていた。
一方でヴァレリアは目を皿のようにしてヤチルルの食事を見つめていた。
ヤチルルはすでに空にした皿を山のように積み上げている。しかし朔夜が皿に山盛りに盛り付けたキッシュはヤチルルの前に差し出されていた。

「朝・・・は・・・一日の源。・・・食べない・・・は・・・駄目。」

ぺろりとキッシュを食べ終えると、ヤチルルはベーグドポトトにも手を出し、平らげていった。
彼女の旺盛な食欲に絶句しているヴァレリアを眺めていたヒューレンは口をほころばせる。
そうしている間にも食卓には続々と料理が運ばれてきた。
香ばしい匂いを放つそれらは空腹であれば思わず蕩けてしまいそうなほどに刺激的な匂いだったが、あいにくヴァレリアの腹はそれほど飢えを訴えていたわけではなく、山のように積み上げられていくその料理の数々に言葉を失うしかなかった。

「あの小さい体のどこにはいってるのやら。」

次々と片付けられていく皿をみてヴァレリアは呟く。
ベーグドポポトにグリーンキッシュ、黒ウサギのグリル、そしてヒカリマスのソテー。
クォン大陸の山の幸をふんだんに使って作られた料理は朔夜が山に分け入って採ってきた食材たちである。ヒューレン爺がやったのといえば最近始めた趣味のフライフィッシングで釣ったヒカリマスくらいのものだろう。

自分の席にちょこんと腰掛けたヤチルルがフォークとナイフを置いたのは綺麗に食べつくした皿の山が高々と積み上げられた頃だった。
ぼそぼそと消え入るような声で「ごちそうさま」と呟くと、ヤチルルは尖がり帽子をゆらゆら揺らしながらトコトコと食堂を歩いていった。その姿を見送ってから、朔夜は器用に皿の山を持って洗い場に運んでいく。

「さぁて、ワシもそろそろ行かねばのー。」

パイプ煙草を美味そうに一息吹くと、ヒューレンは立ち上がった。コーヒーを入れようとした朔夜にひらひらと手を振って断ると、シルクの法衣を身にまとう。

「今日はサイフォスのところの娘がワシんとこのクラスの試験を受けにくるんじゃよ。ヴァレ公、暇なら来んか。なかなか見ものじゃぞ。向日葵みたいに笑う子で・・・」

「ジルダリアでしょ。知ってるわよ。」

億劫そうに机に突っ伏したヴァレリアにヒューレンは小さくため息をついた。

その時である。

『ヴァレリアさまー! お迎えにきてくーださーい!やくそく、やくそく〜!』


ヴァレリアのとんがり耳に取り付けた改造型リンクシェル、リンクピアスから澄んだ声が響いた。

「・・・ほらね。話題のジルぴーからの呼び出しさね。今日は私ゃあのガキんちょのお守りなのだわ。はぁ・・・。」

寝不足ぎみの目をこすり、背伸びをしてふらりふらりと歩いていくヴァレリアの背中に、こっそりとヒューレンは微笑んで見せた。もちろん、彼女がそれに気づくことはなかったが。

***


「行ってきまーす!」

面倒くさそうにしているヴァレリアのもとに、ジルダリアは跳ねるように駆けていった。ぴょんとジャンプしてヴァレリアの首に抱きつき、そのまま背中に回っておんぶしてもらう。
普段から大口径のマスケット銃を背負っているヴァレリアにとって、ジルダリア程度の重さなら小鳥が肩にとまったようなものだ。

「ジルダリアー!」

南サンドリア住民街の一角にあるオウギュスト家の主、サイフォスが二階のテラスからジルダリアを呼び止める。心なし嬉しそうだ。

「無駄づかいするなよ、面倒かけるなよ。団長、娘をよろしくお願いします!」

「はーい。」

にこやかに返事するジルダリアをよそに、ヴァレリアは手だけを振って見せた。
しっかりと首にだきついているジルダリアを担ぎなおすと、そのまま赤チョコボに跨ってみせる。
一度チョコボに乗ればヴァレリアは勇壮なサンドリア騎鳥騎士である。その胸に抱かれてチョコボに乗るということはサンドリアの子供たちにとって憧れであった。

南サンドリアの住宅街を抜け、モグハウスゲートを抜けるとそこは庶民街である。
ドラギーユ家の治める国王のお膝元であるこの南サンドリアの交易街はサンドリアの中でも郡を抜いてにぎわっていた。普段見慣れないチョコボの位置から見下ろす町並みが珍しいのか、ジルダリアは興味深そうに人並みを見渡していた。

ヴァレリアの格好は半そでのダブレットに紫の東方下衣を履いていた。最初、王国軍の鎖帷子と装甲外套を身にまとって出掛けようとしたのを朔夜が慌てて着替えさせたのだ。普段はもっぱら緋色の服装が多いヴァレリアにとっては新鮮であり、なんとなく気恥ずかしい想いでもあったが、行き交う人々の視線のやわらかさに、徐々に着替えをさせた朔夜に感謝するようになっていた。

「ヴァレリアさま、あれは何?」


突然袖を引っ張られて、ヴァレリアはジルダリアは膝の上のジルダリアに視線を落とした。
派手な装飾を施した小さな屋台を指差してジルダリアがたずねる。

「おや、珍しいねぇ。あれは近東の菓子屋さ。シュトラッチとかね。おいしいわよ。」

「シュトラッチ? 変なのー。おいしい?」

「うん。とっても。食べたい?」

その目が好奇心の色に染まるのをヴァレリアは見逃さなかった。

「ちょっと待ってな。フローラ、ジルぴーをみとくんだよ。」

クエっと鳴く愛鳥の頭をなでると、ヴァレリアはそう言い残してチョコボから飛び降りた。手綱を握ったまま屋台のほうに近づいていく。ケースに陳列されたケーキの中からとびきり美味しそうなのを選んで注文する。

「はい。月の船の旅、二つで4000ギルね。騎士様。」

ひげ面の近東風の店員が営業スマイルを浮かべていった。ヴァレリアは耳をぴんとたてて猛然と首を振る。

「高すぎねぇ。1200ギルにしな」

「ちょ、ちょっと、騎士様。それじゃショバ代にもなりゃしませんぜ。」

今度は店員が首を振った。ヴァレリアはため息をついて澄ました顔で応える。

「あ、そ。じゃあそれいらないよ。注文取消し。またね。」

「あ、あ、ちょっとお待ちください、騎士様。・・・まいったな。3200ギルでどうだい。」

「2000.それ以上は出せないねぇ。」

ヴァレリアは短くいった。店員が睨むが彼女は目を逸らそうともしない。
しばらくして店員が観念したように目を伏せた。

「えーい、ちくしょう。2500だ。それ以上はまけられませんや!」

「いいわよ、その代わりトッピングをサービスしてもらおうかい」

ヴァレリアが満面の笑みを浮かべて言う。店員が苦渋に満ちた表情を浮かべ、二人分のシュトラッチのHQを皿にのせてヴァレリアに渡した。

「ほら、食べな。」

「ヴァ、ヴァレリアさま、ひどい・・・。あの店員さん泣いてたよ・・・。」

ヴァレリアからシュトラッチの乗った小皿を受け取りながらジルダリアが囁く様に言った。

「何いってんだい、マツカゼさんはもっと凄いんだから。一桁の単位で値切るのよ。」

「で、でもぉ・・・。」

悪戯をした猫のようにしゅんとしているジルダリアに、ヴァレリアは一すくいシュトラッチをスプーンにとると、ジルダリアの口の先に近づけた。

「ま、いいから。ほら、食べな? 甘くて凄く美味しいんだから。」

ジルダリアは渋々、口の中にシュトラッチをほおばった。
途端に甘くて柔らかく、とろけるように広がるシュトラッチの味にジルダリアは驚愕した。

「・・・・・こんなの、たべたことない。おいしい!」

「だろう? 私もはじめて食べた日の夜は夢にでてきたんだから。」

夢中でシュトラッチにむしゃぶりつくジルダリアに、ヴァレリアはそっと彼女の皿の上に自分のシュトラッチの半分をおいた。思わず緩んでいた自分の頬に気付くこともなく。


「私、大きくなったら冒険者になろうかな。」

「はっはっは、いいねぇ。そしたら一緒にアトルガンまで連れて行ってあげようか。」

大きくうなずくジルダリアの髪をふわりとなでながら、ヴァレリアは寝不足気味だったことも忘れて南サンドリアの市場へとチョコボを向かわせた。




それは夏の日の陽だまりのなかの夢。
向日葵が大輪の花を咲かせていた頃のお話。

***

我レ 帰還セリ

 
ね ん が ん の ネット復活 を 果 た し た ぞ


というわけで、連邦軍宇宙艦隊にアトミックバズーカをぶっ放しに突撃した某少佐ばりに、大いに叫びながら復活凱旋を敢行したいのですが、FF11は絶賛Vup中でログインできておりません。
僕なみだめ。

とっとと僕の可愛いMyキャラ、松姫さんに会いたくて会いたくて仕方ないわけですが。

馬鹿猫?

なんですかそr(ry


まぁなにはともあれ、リアルでの色々ごたごたにゃんにゃんが一段落するまでネットを絶っていたのですが、当時約束していた「4月には戻るぉ!」ってーのに間に合って良かったです。
今日からまたヴァナでの冒険ができるかと思うと胸にときめきを覚えてしまうわけで。

遅々として進まネーVupが終われば、色んな追加コンテンツとやらが目白押しらしいんですが、今のところは2ヶ月離れていたFFの操作、感触を取り戻すのが先っぽいので、しばらくはのんびりまったり、サンドリアを拠点にぶらつこうかと。

何しろここんとこずーーーーーーーーーーーーーーーーっと


地球連邦軍モビルスーツパイロットとして

ジオン公国との独立戦争を

休むことなく戦っていた


のですよ。

べ、別にそのせいで復活が遅れたとかじゃないんだからねっ!

何のことかわからない方はカカッと「戦場の絆」でググるんだっ!


というわけで、ノベルも再開しつつ、冒険のほうもだらだらと再開しますので、これからもよろしくお願いしますのだー。

息だけは長く!!

それが僕のジャスティス!


携帯電話からコンニチハ

ハローハロー!
お久しぶりです。僕です。

一身上の都合により、突然ヴァナから遠ざかる事になって、フレや仲間達にご心配をおかけしております。

とりあえず僕は生きてます、はい。

ヴァナだけでなく、インターネットも使用出来ないのでなんとも連絡のしようがなかったのですが、よく考えてみれば、今ドキは携帯電話からでもブログいじれるわけですよね。マジゴメス

行方をくらましたのがサルベージに突入する直前だったという、笑えない状況だったわけですが、それにしてもこんなに長い事、インターネットに接続出来ない事態になるとはその時は思いもしなかっただ…。

まぁそれはともかく、このまま引退とかは特に考えていません。借り物を返さないわけにもいかないし、まだウチの馬鹿猫騎士さんは恩を返してない人がいっぱいいます。
…なもんで、もう少し時間はかかりますが、忘れないでいてくれると尻尾降って喜ぶと思いますハイ。

妄想日記・よもやま

***

まだ完成してないけど、更新しないと「更新しろしろ」的なアプローチするのが数名いるので前から作ってたロールプレイ日記フォルダから丸々コピーしてはっつけてみる。

カっとなってやった。今は反省している。

■1月15日更新

ソーニャ、セリエ、ヤチルル更新




***

ずの攻防戦・

***

「続 き は ま だ か 」



といった声が、前回のうp後に続発。
というわけで、他にうpろうと想っていたのをいったん休止して、凄まじい勢いで書いた。

今回の見所としては、

りんこ、ヴェル初登場!


というところでしょうか。
ちなみに中の人はこういう「主人公を助ける、何か凄い能力持ってる協力者」っていう感じのキャラが大好きです。だってそういう人がいないと話進みませんしwww

そんなわけで、リアルりんこはともかく、こっちのりんこはかなり感情がこもっております。頑張って書きました。

ここを見てくれる奇特な物好き連中の暇つぶしになれば幸いです。

ジュノ攻防戦

***

「なん・・・だ・・・あれは・・・」

サイフォスは目の前でおきた現象に驚愕した。
彼だけではない、騎士団の誰もが言葉を失った。
それまで、そこにはなにもなかったはずの虚空の空間が、練り飴のようにゆがみ始めたのだ。
灼熱の爆風の舞う魔法の雨のなかでもひるまない緋鳥銃士隊の騎士も、サイフォスが手塩にかけて育てた白狼隊の槍兵達も、誰一人とてその一点を凝視しないものはいなかった。

ただ、一人。

紅いサーコートを身にまとったミスラの傭兵騎士団長以外は。

「・・・20年、20年よ。私はずっと、この時を・・・この時だけを夢見て・・・」

ヴァレリアが恍惚とした顔でその歪みに手を伸ばした。
その顔は空虚で、それでいて艶のある、まるで麻薬中毒者のような顔だった。

「返してもらうわ、私の未来を。私達の陽だまりを・・・。その為に私がここで散らせた命たちの代価を。20年越しの贖罪は、もう、今日で終わり。さぁ、とっとと出てくるんだよ!」

ふいにいつもの獰猛な傭兵団長の顔にもどり、苛立つような声をあげると、歪み、練飴のようになった空間に腕をねじ込んだ。
空気が粘着性のある液体のようにどろりと波紋を広げる。もう一方の腕もそこに突き入れ、空間をこじ開け始める。

歪んだ空間がひときわ大きく振動し、光の粒子がヴァレリアが腕を突き入れたあたりからあふれ始める。
やがてそれは薄緑色を発し、黒魔法、デジョンのごとく、大きな空間の渦を開き始めた。
サイフォス以下騎士団の誰もが息を呑んで目の前の信じられざる事象に目を見張った。

極彩色の光が最高潮に達する。

「だ、団長! これはどういうことですか!」

光の波に覆われていくヴァレリアにサイフォスが叫ぶ。

「援軍さ。私と、私のまわりのほんの一握りの人間だけの未来を救う、王国軍の騎兵隊よ」

腕で目を覆った。それでも防ぎきれない光の奥から、ヴァレリアの声が聞こえる。
その声を聞いたとき、不思議とサイフォスは安堵した。
得体の知れない光と空間の歪み、眼前で起こった摩訶不思議な現象に対しても、もはやなんの疑問も抱かなかった。

団長が、胸ポケットに忍び持っていたイカサマのカードを切ったのだと。
そう、気づいたから。
とても単純なことだったのだ。

***

過剰な装飾を剥ぎ取れば、出来うる選択は限られている。
やるべきことはそう多いわけではないということもわかってくる。
そもそも、選択肢など無かったのかもしれない。

光の渦が消えた時、その場にいたのは緋色の羽の騎士達だった。
彼らが身に着けていたのは緋色のデュヴァリエのブリーチ。緋色の団旗を翻し、そして精強なまなざしをたたえた、デュヴァリエの騎士。

彼らの良く知る、彼らの主。緋色のサーコートを纏う、彼らの団長のごとく。彼らは堂々とそこにいた。

為すべき事はなんだったのか、そう考えた時、スカーレットフェザーの騎士達は、未来からの来訪者の差し出した手を握り返した。
戦いに身を投じるものにとって、結局のところ見知らぬ何かにたいして抱くのはまず、「敵か、味方か」の二つだ。

デュヴァリエの紋章を掲げるものが、敵であるはずがない。スカーレットフェザーの将兵達というのはそういうものなのである。

「待たせたな、相棒。」

ダーク剛の鎧をまとう髭面の男がにやりと笑う。

「あぁ、待ったよ。相棒。」

差し出された拳に、自分の拳骨をかさね、ヴァレリアが微笑んだ。
男はがははと笑うと、重ねていたヴァレリアの手によく実ったリンゴを握らせる。

「・・・林檎酒の魔女からだ。今年のコンシュタットアップルの出来は最高なンだとよ。ちゃっちゃと片付けてよ、帰ろうぜ。おめーがいねーとクランのバカがな、仕事さぼるンだ。」

「そうね。あいつの林檎酒はとびっきりだったねぇ。ちゃっちゃと片付けて、帰ろうか。クランの阿呆をぼてくりこかしたいしね。」

獰猛な笑みは二乗となり、やがてそれは破格の爆笑となった。
その余韻のまま、二人して踵をかえすと各々のチョコボへひらりと飛び乗る。

未来から来た騎士団の誰かが団旗を振った。

それを合図に、緋色の羽の群れは戦場へと。
彼らの居るべき場所へと羽ばたいていった。

***

「王国傭兵騎士団だ!」

物見塔にいた連合軍のタルタル弓兵が叫んだ。

敵の軍団めがけて、緋色の装飾布をかけられた百丁の新式ライフリングカービン銃が火を噴く。放たれた銀の玉は轟音とともに風を突き破り、クゥダフ重装歩兵の対銃板金鎧すらやすやすと粉砕した。
その一斉射撃の後、怒涛のように現れた重槍騎鳥団が防塁に群がっていた獣人たちを蹴散らしていく。

「ガン・アンド・チャージだ、野郎ども! マスケッターライダーズは次弾込め、ホワイトウルフは構えーっ、槍! スカーレットフェザーの花形が誰か教えてやるンだ!」

巨大な両手斧を振りかざしたヒゲ面の男、ハーディンが叫ぶ。と同時に同じ重装鎧の歩兵たちが盾を構えた。白狼隊ではない、黒鉄の板金鎧を身に纏い両手持ちの大剣、大鎌を振りかざす、ハーディン直属の歩兵たちだ。敵の獣人達の生き残りが放った弓矢や魔法が重装歩兵たちに降りかかるがびくともしない。

「ドライ、ヅヴァイ、アインス・・・チャーーーージッ」

魔法の爆炎が収まるのをまたず、大盾を背中に背負いなおすと黒甲冑の重装歩兵たちは次々と両手剣に両手鎌に、各々の武器を引き抜くと鬨の声を上げて突撃した。彼らの攻撃を受け止めようとした獣人の前衛たちは構えた武器ごと叩き割られていく。
銃撃で浮き足立った獣人の兵たちに、その鋼の突撃は止めようが無かったのである。

「朔夜、駆きます!」

澄んだ声が響く。

我先にと戦列を崩して逃げ出すものが続出しはじめた。獣人たちの士気が崩壊した瞬間だった。

緋色の戦忍着を身にまとった銀髪のミスラが風のように逃げ出した獣人めがけて飛んだ。あとに数名の忍者がつき従う。疾風のように獣人たちに肉薄すると、一突き。
鮮血を散らせた獣人は命のともし火を吹き消されて地に崩れ落ちた。
舞い散る桜のごとく、その刃は鮮血という花びらを纏い、戦場に花咲く。

重装歩兵たちは魔法と弓矢の反撃をものともせず、獣人たちを蹴散らしていく。側面からはチョコボに跨った銃騎士たちがとんでもない速さで銃弾をあびせかけ、逃げれば銀髪のミスラ率いる忍者たちに次々に仕留められていった。
魔法障壁も銀の破魔装飾のほどこされた銃弾にはなんの役にも立たず、投石を続けていた巨人たちはチョコボを駆る騎鳥兵に巨岩をあてること叶わずに小気味よい風切り音と共に飛んできた銃弾に貫かれていった。

連合軍将兵はその怒涛の殺戮劇に息を呑んだ。


***

「おやおやまぁまぁ、あいつめ。殺しも殺したり。ひんがしの国というのは恐ろしい国じゃの。あの小さな朔夜があんな楽しそうに殺しをできるように仕上げるとは。」

コーサーチョコボの手綱を握り、白ヒゲをいじくりながらヒューレンがつぶやく。
ヴァレリアの親衛騎士をはべらせ、やや戦場から離れた丘の上からじっくりと眺め見下ろしていた。
横には小柄なタルタル女性がちょこんと座っていた。目を瞑り、何事かをつぶやいている。

「母上・・・じゃない、ヤチルル、サイフォスの白狼たちの守護魔法が消えそうじゃて。」

ちらりと横目でそのタルタルに視線を移すと、呟く様にヒューレンがいった。

「・・・手伝って。」

少しだけ目を開くと、ヤチルルとよばれたタルタルは小さくそういってまた眼を閉じた。
視線を戦場のほうに移せば、獣人達を貫いていた白狼隊に淡い光の粒子が包み始めていた。

「あれだけの数に、この距離からファランクスと高位シェルをかけれるのは母上しかおらんのー。」

彼は隣でとんでもない大魔法使いが守護魔法を唱えている事と、それが自分の母同然の存在であることを想って唇の端をあげた。
やがて自分もすっと眼を閉じる。

スカーレットフェザーの鋼の突進力を支え、守護する魔法障壁はヤチルルの。
強力であるが故に鈍足となる歩兵達が暴風のごとく突進を続けられるのはヒューレンの。
この時代には存在しない、高位魔法によるものだったのである。

二人の間に流れる空気は強力な魔法のうねりをうけ、陽炎のようにゆらめいていた。

***

「この戦いは正義の戦いじゃない。ぶつかりあうのは2つの相容れない人種。生き残るのは私たちか、獣人たちか、どちらか一方だと思いな!生かして捕らえようなんてこたー考えなくていい、逆らうものは皆斬って捨てるんだ!突き崩し、撃ち倒し、奴らに徹底的に敗北の2文字を叩き付るんだよ!」

ヴァレリアがフェルディナントを振りかざし、叫んだ。
先に突撃していった重装歩兵たちの勢いたるや凄まじく、ヴァレリアの鬨の声にさらにその勢いを増していく。

その数を倍に増やしたスカーレットフェザーたちの放つ銃の一斉射撃は瞬く間に敵の前衛部隊を撃ち砕き、続く歩兵、騎兵、長槍騎兵たちの突進はとどまる事を知らなかった。

「小難しいことはいらねぇンだよ、野郎ども! 後ろでぬくぬくと指揮してやがる、エライさんは俺達歩兵がどれだけ辛い想いしてドンパチしてるかなンかわかっちゃくれねぇ、生きたい奴ぁついてこい。グリフィンとサンドリアの御旗の下にこそ勝利はある!」


「ちょっと!ヒゲ!そんなこといったら指揮系統がこんがらがるじゃない!」

あっけにとられている連合軍将兵たちに向けて怒号をとばすハーディンに、朔夜が抗議の声をあげた。

「かまやしねぇンだよ、見ろよ、あのバカ殿の下をよ!あンだけ負けに負かされた連合軍の奴らの目に勝利が映り始めてる。あいつ、戦争ン時だけは間違いなく最高のアルタナ様の生まれ変わりだぜ。演説のうまい奴の役得だな!」

ヴァレリアにはべっていた近衛の数が明らかに増え始めていた。
元々の親衛従騎士の他に、傷つき、疲弊しながらも剣を取り、立ち上がった連合軍兵士たちが続いているのだ。

「うぅ・・・、またうちの部隊の評判が下がっちゃうよぅ。」

顔をしかめて朔夜はその様を見やった。

「まぁ、死人が増えるよりはマシでしょうな。」

サイフォスが肩をすくめた。
がははとハーディンはそんな二人に笑って返した。

***

「あ、あれはどこの国の・・・、い、いや、どこの隊だ!あれは、なんだ!なんだあれは!王国軍でもない、共和国軍でもないぞ、めちゃくちゃだ!」

後方の鐘楼から戦場をみやっていた幕僚たちは声を荒げた。
直属のヘラルドがあわてて団旗帳簿をめくり始める。

「緋色に金の縁取り、剣と銃の団旗・・・。ありました、王国軍所属の、スカーレットフェザー・・・朝方、入陣した部隊です。」

幕僚本部は騒然となった。
正規軍ではない、いち傭兵騎士団が朝方からさんざん援軍を送り込んでは芳しい戦果をあげられなかった戦場のバランスを一気に優勢に持ち込んだのだから。
得体の知れぬ味方の登場に沸き立つ末端とちがい、幕僚本部は流石にそれほど短絡思考ではなかったようで、すぐさま王立騎士団へと情報の詳細を求める旨の使いがだされた。

しかし帰ってきた答えは、記載済みの戦力である。サンドリア騎士団の強さをご照覧あれ、という簡素なものであった。

幕僚達は歯軋りした。
この防衛作戦はバストゥークのシュルツ流学者たちが夜を徹して敷いた会心の布陣だったのである。
それを、国力でこそ並んではいるものの、もはや時代遅れの軍団しかもたず、伝統にしがみつくあまり、封建制を頑なに固持し続けるサンドリアのいち傭兵騎士団がかき乱しているだ。幕僚総本部は指揮権を握る根底さえ揺るがれ始めていた。

「サンドリアめ・・・。」

幕僚たちは眼下で破竹の進撃を続ける緋色の騎士団をにらんで憎憎しげにそう呟いた。

***

明けましたね!

ohimesama

さぁ、お手を拝借。

踊りませんか、貴方と私のエンドレスワルツ。


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